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第220話 階段のある報告会

Author: 花柳響
last update Petsa ng paglalathala: 2026-09-22 06:01:48

 榊グループ主催の医療支援報告会は、翌々日の午後に開かれる予定だった。

 壇上のマイクはまだ使われておらず、銀色の支柱だけが照明を拾っていた。

 会場は、都内のホテルに併設されたイベントホール。二階へ上がる広い階段と、吹き抜けのロビーがある。青嶺療養院の関係者も招かれていると聞いた時、私は資料の端を指で押さえたまま、しばらく目を上げられなかった。

 葵さんにつながるかもしれない場所。

 同時に、未央が何かを仕掛けてくるかもしれない場所。

 その二つが、同じ紙の上に並んでいる。

「行かない選択もあります」

 高瀬さんが言った。

 榊邸の会議室には、律、相良さん、高瀬さん、それから情報管理部の主任がいた。机の上には、会場平面図、招待者リスト、警備計画の写し、報道受付の動線が並んでいる。

 私の前に置かれているのは、未央の手元へ届いた可能性のある案内図の印刷だった。

 赤い線。

 階段。

 踊り場。

 撮影位置。

 赤い線の上で、目が止まった。
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